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アスリートにやってほしい【瞑想で練習前のマインドセットをつくる】

投稿日:2020年10月30日 更新日:

選手の皆さん、練習前の【気持ちの状態】は整っていますか?

今回は、余計な思考を巡らせず、今の練習に集中していく「瞑想」についてご紹介していきます。

練習前や自宅を出発する前の10分間があればできるので、練習の生産性を高めたい選手は、ぜひ取り組んでみてくださいね。

練習前に瞑想をやってほしいワケ

練習前に瞑想を取り入れることによって、以下の効果が期待できます。

1.雑念がなくなる

1つ目の効果は雑念がなくなるということです。
雑念とは、頭の中に浮かんでくる余計な思考のことです。

例えば、
・練習に行きたくないな~
・これで目標を達成できなかったら、自分はダメだ
・モチベーションが上がらない自分はダメだ
・今日の練習でも先輩に怒られるんだろうな
・練習をやる意味は本当にあるのかな
…etc 練習の士気を下げてしまったり、良い練習につながらない考えが浮かんでくることがあると思います。

そこで、呼吸や体の感覚に集中していく瞑想を行うことによって、「余計な思考」から離れて、頭の中をクリアにすることが期待できます。
過去や未来に関して、思考を巡らせるのではなく、「今」の感覚に集中することで、「今するべきことに集中していくマインド」ができていきます。

2.精神面の疲労感が取れる

2つ目の効果は精神面での疲労が取れるということです。

余計な思考が頭の中に常に浮かんでいる人は、それだけ精神的にも疲労していきます。
生産的な活動に、思考を投じられれば良いのですが、クヨクヨと同じことを考えたり、成長につながらない心配をしたり、、、
無駄に頭の中を忙しくしてしまい思考力を消耗してしまうと、練習での生産性も落ちてしまうことにつながります。

そこで、精神的な疲労感がなかなか取れないという選手にも、瞑想を取り入れてもらえると良いと思います。
特に、先のことを心配して疲れてしまう選手、目標達成への意欲はあるものの今の練習には身が入らない選手は、未来のことばかりに思考が働いてしまい、精神的な疲労感につながっている可能性があります。
ぜひ「今に集中」するための瞑想をして、精神的な疲労感をクリアにしてみてください。

やり方

それでは、瞑想のやり方を解説していきます。
練習前、3分~10分くらいの短い時間があれば、実践できます。
(練習までのタイムラグがあってもOKです)

①仰向けに寝る
床などに、仰向けに寝ます。
仰向けに寝る理由としては、呼吸や体の感覚に意識をより向けやすくなるからです。
慣れてきたら、椅子に座るなどでもOKです。

②ゆっくりと呼吸をする
4秒で吸って8秒で吐く。
最初はこのくらいのリズムで良いと思います。
腹式呼吸が理想的ですが、最初は難しいので少し胸で吸う感じがあってもOKです。

③体の感覚・呼吸に集中する
吸っているときに感じている体の感覚や、空気がお腹に入っていく感じを、感じ取ろうとしてください。
身体の感覚・呼吸の感じに意識を集中していきます。

これを、3分間~10分間の時間を測って、やっていきましょう。
やってみると数分がすごく長く感じることが多いので、最初は短い時間でも大丈夫ですよ^^

そして瞑想をやったことが無い人であれば、やっている中でもいろいろな考えが頭に浮かぶかもしれません。
そのときは、語尾に「~と思った」を付けて、スルーをしていってください。
(「練習に行きたくない、と思った」「これやって何の意味があるのか、と思った」…etc)

*******
精神的な疲労感が取れない選手、今に集中することが苦手な選手は、ぜひ練習前の10分間を使って【今に集中する】練習をしてみてください。
瞑想を習慣化することで、1日1日の練習に対して現実逃避することなく、成果を積み重ねるためのマインドセットをつくることができますよ^^

-意識, 生産性, 練習, 習慣

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