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本番でベストパフォーマンスを発揮する為のメンタル【この3つを意識せよ】

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「本番に良いパフォーマンスを発揮する」ということが得意な選手、苦手な選手、それぞれいると思います。

今回は、どのような選手においても、本番のパフォーマンスを高めるために【試合で意識すべきこと3つ】をご紹介します。

本番にベストパフォーマンスを発揮する為に意識すべきこと3つ

本番当日に、ベストパフォーマンスを発揮する為に意識すべきことは以下の3つです。

①シミュレーションで想定外を想定内にしておく

②「今できること」に常に集中する

③楽しむこと・チャレンジすることに徹する

以上3つについて、次項で詳しく解説します。

①シミュレーションで想定外を想定内にしておく

まず1つ目は、シミュレーションで【想定外を想定内にしておく】ことが重要になるということです。

どういうことかというと、例えば陸上100mの選手が大会に臨むことをイメージしてみてください。

当日の天気を「晴れ」しか想定していない場合、雨が降ったとき、風が強かったとき、その想定外の出来事への準備ができていません。

このように【想定外の出来事に引っ張られてしまう】という経験をしたことがある選手もいるかもしれませんが、こうなってしまうと、とてももったいないですよね。

そのため、【想定外の出来事】を想定内にしておくことが必要になってきます。

具体的には、紙にたくさん【想定外】を書き出して当日試合会場に持っていく、試合の日の朝に確認をしておく、などの工夫ができるかもしれません。

②「今できること」に常に集中する

2つ目は「今できること」に常に集中をすることです。

1つ目は、どちらかというと試合前の準備も含まれますが、2つ目に関しては試合中に最も大切なことになります。

なぜこれが大切かというと、選手が委縮してしまうほとんどの理由というのが、「過去の失敗や未来への不安」に引きずられていることがあるからです。

どんなにひどいプレーをしてしまったとしても、これから負けるかもしれないという未来があったとしても、【コントロールできる瞬間】は【今】です。

そのため、「今に集中をすること」が最もパフォーマンスを高めてくれます。

これは、日頃の練習からそのようなクセをつけておくことで、試合でもこの意識状態が発揮しやすくなります。

③楽しむこと・チャレンジすることに徹する

3つ目は、「楽しむこと・チャレンジすることに徹する」ことです。

試合を楽しめない、委縮してしまう多くの選手は、「~するべき」「ミスしてはいけない」と、結果や周りの意見を意識しすぎてしまい、【自分が主体的に試合を楽しむ気持ち】を持てていないことが多いのではないかと思います。

そこで、「楽しむこと・チャレンジすること」に徹することによって、【結果】から解放され、【過程】にフォーカスをすることができます。

自分らしくのびのびと試合を楽しむこと・チャレンジをすることが、究極の集中状態【ゾーン】への入り口に立つことでもあります。

このように、結果でなく【今この瞬間の過程】で楽しむ・チャレンジする意識を持つことで、より深い集中状態へと近づいていくのです。

*******

今日は、【本番でベストパフォーマンスを発揮する為のメンタル】をご紹介しました。

選手の皆さんが、自分らしくのびのびと試合で活躍されることを祈っています!

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