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【試合で使える】あがりの防止①身体面からの対処

投稿日:2020年5月13日 更新日:

以前の記事では、【「あがり」の兆候5つ】について、ご紹介しました。

そこで今回は、あがってしまったときの具体的な対処法について解説をしていきます。

あがってしまったときに、どのようにリカバリーしていくのか、ぜひ最後まで読んで対処法を身につけていってくださいね。

あがっても「対処」すれば大丈夫

試合であがってしまうと、いつもの動きができなかったり気持ち的には落ち着かなかったり…と焦ってしまうことも多いですよね。

しかし、試合であがっても本当は大丈夫なんです。
なぜならば、それを認識して「対処」すればよいからです。

あがってしまったり、不安で仕方ないときにも、対処方法のレパートリーを持っておくことで、冷静に対処できるようになっていきます。

今回は、そんなあがってしまったときの対処方法について、解説をしていきます。いくつか対処方法はあるのですが、特に身体面からのアプローチについてご紹介しようと思います。

それでは、次項で早速見ていきましょう。

具体的な対処方法【身体面から】

「あがり」への具体的な対処方法は、いくつか異なるアプローチがあります。

その中でも今回は、【身体面からの対処法】についてご紹介していきます。
(以下では、場面別に対処方法をご紹介しています)

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1.緊張しすぎてしまっているとき
まず1つ目、緊張しすぎて体が思い通りに動かないときにできる対処法は【漸進的弛緩法】というものをやってみると良いでしょう。
漸進的弛緩法のやり方は以下の通りです。

①力の入れやすい部位(手、顔など)にグーっと力を入れて5~8秒間キープします。
②そのあと、一気に力を抜いてダラーンと脱力させます。


これを、いくつかの身体の部位で行ってみてください。意識的に力を入れる・抜くを繰り返すことで、体のコントロール感を取り戻していくことができます。

2.緊張感がやや足りずに、体がだるいとき
2つ目は、緊張感が抜けてしまい体が何となくだるいときの対処法【サイキングアップ】です。
緊張をしすぎた後にこのようなだるさが出てしまう選手/試合への調整がうまくいかずに当日もやる気が出ない選手…なども多いと聞きます。
ある程度の心拍数が無いと、気分の盛り上がりや体のウォームアップ、注意集中力が足りずに、良いパフォーマンスが望めませんよね。
そこで、心拍数を高めるための【サイキングアップ】をやってみましょう。サイキングアップの中でも、特に身体面からのアプローチは以下の2つです。

①短く早い呼吸を繰り返す
ろうそくの火を吹き消すように、強く短く息を吐きだします。
②簡単な身体運動を繰り返す
軽いジャンプやランニング、ももあげなどの、簡単な運動を行います。
このように心拍数を増加させることによって、緊張感を高めていくことができます。

以上・・・身体面から「あがり」に対処する方法をご紹介しました。
試合だけではなく、練習場面・日常生活での緊張場面でも使える方法なので、ぜひ【対処をすること】に慣れていってくださいね。

********
今回は、身体面から「あがり」に対処する方法をご紹介しました。
次回以降、認知面からのアプローチもご紹介しますので、楽しみにしていてくださいね。

-緊張, 試合

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