試合で緊張して、うまく力が発揮できない…ということを経験したことのある選手も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、試合の緊張時にも使える【漸進的弛緩法】についてご紹介します。
この技術を身につけることができると、【自分の意図でリラクセーションの状態】をつくることができるので、ぜひ実践してみてください。
漸進的弛緩法の効果
漸進的弛緩法(自己コントロール法)とは、【①ある特定の部位(筋群)にぐーっと力を入れる、②維持する、③力を抜く】の3ステップで、リラクゼーションを得ることができるという技術です。
効果としては、【筋弛緩によって、大脳の興奮を低下させ、不安を軽減することができる】ということがあります。
そして、あえて最初に筋群に意識的に力を入れることによって、筋群の【力を抜く】ことが可能となります。
実践してみると分かるですが、最初に力を抜くところから始めようと思っても、なかなかうまく力を抜くことができません。
そこで、【力を入れてそれを維持する】という段階から、【力を抜く】を行うことで、【力が抜けた】という実感が大きくなり、リラクゼーションも得やすくなります。
慣れてくると数秒~数分ほどで、リラクゼーションの状態をつくることができるので、日頃から練習しておくことで、試合前などにも使えますよ。
漸進的弛緩法のやり方
実施方法は以下の通りです。
以下の順で、【力を入れる・維持する・抜く】を実施します。
①右手
②左手
③右足
④左足
⑤両手
⑥両足
⑦両手→両足
⑧両手→両足→胸
⑨両手→両足→胸→腰
⑩両手→両足→胸→腰→顔
※最初は、仰向けでやることがおすすめ。慣れてきたら座って・立って行ってもOK。
※力を維持するのは、だいたい【5~8秒】を目安にしています。(私も実践してみたところ、「力を入れている」という実感を得ることが大切なので、このくらいの長さがあったほうが良い思います。とはいえ、慣れてくると実感できるスピードも速くなると思いますので、その時は短くするなどの調整をしてくださいね)
また、コツをつかんできたら、すべてやらなくともリラクゼーションの状態ができてくると思うので、すべての部位の通しがある【⑩だけ行う】などでもOKです。
ご自身の身体と対話しながら、自分に合うやり方を模索していってくださいね。
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以上、リラクゼーションを手に入れるための漸進的弛緩法についてご紹介しました。
緊張してしまった場合でも大丈夫。漸進的弛緩法を身に着けることで、あなた自身でコントロールすることができますよ。
(参考) 日本スポーツ心理学会(2010).スポーツメンタルトレーニング教本,大修館書店