選手のためのスポーツ心理学

心理学の専門家が【今日から現場で使えるスポーツ心理学の知識】を発信中。

意識 生産性 練習

【練習の濃度を高める】「記憶」の活用方法

投稿日:2020年8月21日 更新日:

1日1日の練習が大切だと分かっていつつも、「練習の質」を常に高めていくことは難しいことだと思います。

そこで今回は、そのような練習の濃度を高めるための1つ【記憶の活用方法】についてご紹介します。

「記憶」という観点から練習を見直してみると、「やる気や感情」に頼らず、練習の質を高めるための「仕組みづくり」に目をむけることができます。ぜひ最後まで読んで質の高い練習を実践していきましょう。

「記憶」を活用し、練習の濃度を高めよう

突然ですが選手の皆さん、昨日の夕飯のメニューを思い出せますか?

…そう聞かれて、思い出すことに少し時間がかかった人がほとんどではないかと思います。(すぐに思い出せた人、すごいです^^;)
そして、昨日の夕飯を思い出すことができた方も、1週間前の夕飯、1か月前の夕飯…ということだったら思い出すことがかなり難しくなると思います。

このように、「記憶」というものは時間と共に薄れていくものです。
そこで練習においても、【毎日、毎時間、毎分】という短いスパンで「課題」を見直す・思い出すことが非常に重要です。

そこで以下を実践しながら、【忘れない】工夫をしていきましょう。

課題を見返す・思い出すタイミング

今日の練習で「意識したいこと」や「課題」が選手それぞれであると思うのですが、それらを以下の5つのタイミングで、その都度確認していきましょう。
常に「大切な課題」を握っておくことで、質の高い練習を実現できますよね。

============

1.前日
…日誌を書くとき等、練習の振り返り時に明日の課題を決める。

2.朝
…昨日書いた日誌を見ながら、今日の課題を確認する。

3.練習前
…朝確認した内容をもう一度見ておく&課題の修正があればしておく。

4.練習中
…休憩中/動きがない瞬間に課題を思い出す。
「思い出す」だけだと意識しづらい選手は、メモをポケットに入れるor手に書いておく等して、時間があるときに見ておく。

5.練習後
…今日の課題への取り組み(ちゃんと覚えて、意識しながら練習できたか)を10点満点で評価する。
意識が足りないようであれば、次回以降、確認の回数を増やすといった工夫をする。

============

このように、「課題」を思い出すタイミングを意図的に作ることで、練習の意識を高めていくことができます。
「意識が薄れる」≒「忘れる」ということを、ぜひ頭において「記憶」を活用してみてくださいね。

*******
以上、「記憶」の観点から練習の質を高めていく方法をご紹介しました。
「思い出す」タイミングを用意してあげることで、やる気に頼らない仕組みづくりをすることができるので、ぜひ実践してみてくださいね^^

-意識, 生産性, 練習

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

【科学的に正しい】自己効力感を高める方法4つ

「自己効力感」とは、「できそう」「やってみたい」といった、チャレンジしてみたくなるという気持ちや、やったらできそうだ、という感覚のことです。 この自己効力感を高めることで、毎日良い意識状態で練習ができ …

【ケガで練習ができない】モチベーションの保ち方

選手の皆さん、けがをして思うようにモチベーションを維持することが難しかったという経験はありませんか? 今回は、けがをしたときにどのようにモチベーションを保ちながら【前へ進んでいくか】ということを書いて …

【あの練習が嫌い…】練習中のストレスに対処していく方法

競技をしている中で、選手の皆さんは【緊張や不安場面】など多くのストレスに日ごろから直面していると思います。 そんな中、今回は【練習のストレスに対処していく】ためのヒントをご紹介したいと思います。 部活 …

【競技力を高めるための】情報収集のコツ

強くなるため、競技力を向上させるために、色々なことを勉強したり情報を収集したりすることも多いと思います。しかし、そのようにインプットした情報を実践に活かしていくということは難しいと感じている選手も多い …

【セルフコーチングに最適!】アスリートにも使える認知行動療法

選手の皆さん、認知行動療法という言葉を聞いたことがありますか?精神疾患の治療にも用いられる【心理療法】のことです。 今回は、アスリートのセルフコーチングにも使うことができる、【アスリート版:認知行動療 …