スポーツの技術を磨いていくためには、身体感覚と常にコミュニケーションをとっていく必要があると思います。
そこで今回は、自分の身体にどんな問いかけをしていくと、技術が伸びていくのか【問いかけのレパートリー】をご紹介します。
これができるようになると、なんとなくやっていた練習が、【毎日の実験】に変わり、格段に楽しくなりますよ。
身体感覚と対話するとは
【身体感覚と対話する】とは、【考える→自分の身体で表現してみる】というプロセスのことです。
例えば、バレーボール選手の場合。スパイクを打つときに、もう少し「ぐっと踏み込んでみよう」と、ジャンプの動きを変えようとしたときに、【言葉で考える→体で表現する】というプロセスがありますよね。
このときに、自分自身にどんな【言葉のレパートリー】があると、より成長を加速させることができるのか。
そこで今回は、身体と対話するときの言葉や視点をいくつかご紹介します。
練習中、身体に問いかけるべき言葉
練習中、自分の身体に問いかけてほしい言葉が3つあります。
①理想の動きを10点とすると、今の動きは【何点】か?
②いい動き・理想の動きのときには、【体はどこで何を感じているのか】?
③理想の動きを、【色や音】で表現すると、どんな風になるか?
これ以外にも沢山あると思うのですが、今回は、特に探求が深まるこの3つをご紹介します。
①理想の動きを10点とすると、今の動きは【何点】か?
まず1つ目に問いかけてほしいことは、これです。
数値で理解することにより、動きの完成度や伸びしろが見えてきます。
例えば、【今のスパイクは何となくダメだったな…】という振り返りよりも、【今のスパイクは点数で表すと6点だったな…】と考える方が、4点伸ばすためには何をすればよいのか、具体的に考えやすくなっていきます。
このように、数字で表すことで、気づきがより深まっていきます。
②いい動き・理想の動きのときには、【身体のどこで何を感じているのか】?
2つ目にやってほしい問いかけは、自分の身体に意識を集中させる問いかけです。
良い動きのとき、身体の【どこで何を感じている】のか。
例えば、バレーボール選手のスパイクの例でいうと、【ぐっと踏み込む瞬間には、お尻の筋肉がぎゅっと収縮して、力が入っている…その瞬間に、腕もぐっと上に引き上げている…メリハリのある感覚。体の温度は、高い感じ。空中に浮いたときには、滞空時間を楽しむような感覚…】というように、動きの中で感じている身体感覚を言語化していきます。
これをすることによって、良い動きができるときのコツを、身体感覚で探究していくことができるのです。
③理想の動きを、【色や音】で表すと、どんな風に表現できるか?
3つ目は、色や音を使ってみる、ということです。
これをやることによって、理想の動きへのイメージがつかみやすくなったり、良い動きの再現性が高くなったりします。
例えば、先ほどのバレーボール選手のスパイクの例でいうと、【良いスパイクが打てる時のイメージは、体全体が熱くなっているので、赤色のようなイメージ…火が燃えているような感じ。音で表現してみると、素早くグワンッグワンッドカーン!って感じ…】というように、色と音を使って、理想の動きを表現してみることができます。
ご自身の動きに当てはめてみると、どんな表現ができそうですか?
練習前に紙に書き出したり、絵を描いたりしてみても、イメージが膨らんで面白いかもしれませんね。
********
以上、身体感覚との対話のコツをご紹介しました。
3つの問いかけを使って、自分がしっくりくる動きをぜひ探究してみくださいね。